さかもとこーひーの焙煎&ブレンドメソッド36

「ブレンド6.実際のブレンド(アフターダーク)を解説してみます」


 

前回は「ブレンド5.ブレンドでフォーカスするポイント」について書きました。
 

まず、大前提として、どのようなお客さんに向けてのブレンドかです。
 

あまり個性を出さずに、どなたにも円やかで素直に飲みやすい味わいも大切です。
 

一方、際立った個性を生かしたブレンドもあります。
 

春夏秋冬季節のお菓子や気候に合わせたブレンドもあります。
 

そんな多様なブレンドに共通してフォーカスしているものがあります。

それは「アシディティ、酸味」です。
 

それぞれの豆の「アシディティ・酸味」の質とボリューム、個性を把握して、

バランスや目指す味わいをイメージします。
 

勿論、甘さやマウスフィール、アフターテイストや香りもイメージしますが、

その辺は酸味の個性やボリュームでバランスをとると解決しやすいですね。
 

そんなこんなで・・・今回は「ブレンド6.実際のブレンド(アフターダーク)を解説してみます」 です。
 

さかもとこーひーを代表するブレンド「アフターダーク」を10年目でリニューアルした時の

先日のカッピングを振り返ってみようと思います。
 

「アフターダーク」は「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」を使って・・・

深煎りの新境地と言いますか・・・昭和の深煎り自家焙煎でも無い・・・

ピーツやスタバのような深煎りでも無い・・・

スペシャルティコーヒーに出会って20年経ったさかもとこーひーが

今のスペシャルティコーヒーの魅力を生かした深煎りブレンドを作りたいなぁーという思いでブレンドしました。
 

円やかな深煎りの味わいに「エルインヘルト・パカマラ」の輝くような魅力が顔を出して他に無い魅力でした。
 

ただ「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」が年々高騰してきて、使えない価格になってしまいました。
 

困っていたら名門パナマ・レリダ農園のパカマラ種をなんとか使える価格で

手当できましたので、10年目だしパカマラの農園変わるしで、リニューアルしました。
 

まず決めたのは「パナマ・レリダ・パカマラ」の価格を抑えられたのでたっぷりブレンドしようと。
 

去年までは「深煎りコロンビア、深煎りグアテマラ、深煎りエルサルバドル、パカマラ」でしたが・・・

今年は「バークレーロースト、深煎りインドネシア・ブルボン、パカマラ」とブレンドを作り直して、パカマラの量を増やしました。
 

カッピングで並べた豆は「深煎りコロンビア」「バークレーロースト」「深煎りインドネシア・ブルボン」「ウガンダ・マウントエルゴン」「パナマ・レリダ・パカマラ」でした。
 

まず「バークレーロースト」「深煎りインドネシア・ブルボン」「パナマ・レリダ・パカマラ」でカッピングしました。

次に「バークレーロースト」「ウガンダ・マウントエルゴン」「パナマ・レリダ・パカマラ」でカッピング。
 

今度は「深煎りコロンビア」「深煎りインドネシア・ブルボン」「パナマ・レリダ・パカマラ」

さらに「深煎りコロンビア」「ウガンダ・マウントエルゴン」「パナマ・レリダ・パカマラ」
 

最初の「バークレーロースト」「深煎りインドネシア・ブルボン」「パナマ・レリダ・パカマラ」で

イメージ通りになっていましたが、あとは確認です。
 

最初の比率で決定しましたが、試しに比率も変えて確認しました。
 

まぁ、頭の中でほぼ出来上がってしまうので、実際のカッピングは確認ですね。
 

パカマラの量を増やしたので、

ベースの豆を「深煎りコロンビア」から「バークレーロースト」に替えて、

ダークさを前に出しながら酸のバランスを整えます。
 

次に違うキャラの深煎りを使って味わい深さ複雑さをブレンドしたくて、

最初のイメージでは「深煎りインドネシア・ブルボン」が合うと思いましたが

「深煎りインドネシア・ブルボン」と「ウガンダ・マウントエルゴン」を用意して比較してみました。
 

で、「バークレーロースト」「深煎りインドネシア・ブルボン」「パナマ・レリダ・パカマラ」で決まり。
 

念の為「バークレーロースト」と「深煎りコロンビア」を入れ替えて確認しましたが、

やはり「深煎りコロンビア」では酸のバランスがイマイチです。
 

次回は「アフターダークのブレンドカッピングをもう少し詳しく」 について書こうと思います。
 

ご質問はお気軽にメールで坂本までどうぞ。

takafumi@sakamotocoffee.com
 

2023年10月25日

坂本孝文
 

バックナンバーはこちらをどうぞ
 

ページトップへ