さかもとこーひーの焙煎&ブレンドメソッド2

「自家焙煎で一番大切なこと」
 

さかもとこーひーの焙煎のメソッドは今までも時々書いてきました・・・基本は変わっていません。それでも、微妙なカロリーの掛け方によって香りや味わいがどう変わるのかとか検証が日々進んでいます。
 

最近のプロバット焙煎機は火力をデジタルで1%刻みでコントロールできるので検証しやすくて・・・サポートしていると何℃で火力を1%上げるとかで検証して、結果が出ると先に進みやすいです。
 

さかもとこーひーのプロバット12kgの火力はアナログなので、そういった便利さは無いのですが・・・特に不便は感じていないです。(同じ12kgで最新式に買い換えるという提案いただいています。)
 

そんなこんなで・・・「自家焙煎で一番大切なこと」「美味しさを作ることで一番大切なこと」からスタートしようと思います。
 

大前提が・・・店主の「味覚レベル」です。
 

コーヒーに限らず店主の「味覚レベル」以上の美味しさにはならないという現実があります。どんなにデジタル化してデータを取りやすくなっても、最終的に判断するのは「店主の味覚」です・・・そしてそれを味わうのはお客さんの味覚です。
 

データ化されたレシピでも最終的に判断するのは「店主の味覚」です・・・ブレていても気が付かないことよくあります。そして、たまたまより良い結果が出ることあります・・・それをすっと捕まえてバージョンアップできる人と、見逃してしまう人がいます、それも「味覚レベル」の影響が大きいでしょう。
 

検証するのも「店主の味覚」です、仮説してあるポイントを変えて、その結果を検証する時・・・良い結果が出ていても気が付かなかったらステップアップできません。
 

化学的に解明されても、それを判断するのは味覚で、味わうのも味覚・・・味覚レベルの高くない化学者が化学的に理論化しても限界があります。勿論、研究は必要でステップアップの助けになりますが、それが美味しさに直結するわけではないでしょう。
 

(大きな会社だと、不特定多数のモニターでサンプル取るでしょうが、それは不特定多数の消費者相手であって、スペシャルティコーヒーのような特定少数のカスタマー相手の際立つ魅力だとまた違った結果になるでしょう。ここがスペシャルティコーヒー以前のコモディティコーヒーとの大きな違いだと思っています。なので、「店主の味覚」と「常連さんの味覚」が大切になるでしょう。)
 

美味しいコーヒー作りたいと思ったら・・・自分の「味覚レベル」を向上させることがスタートになります。
 

味覚は厄介なもので、自分の感覚しかわかりません。
 

それをどうにかしないといけないわけです・・・明らかに焙煎に問題のあるコーヒーなのに「これ最高、美味しい」と感じたらその先はありません。
 

さかもとこーひーでは、店主と息子二人の三人が共通のカッピングスキルを持てるようにトレーニングを重ねています。息子二人ともに店に入ってカッピングの基礎からトレーニングしてきましたが、最初の1年は何がなんだか分からず、2年経つとクリーンカップをきちんと取れるようになり、3年経つと基本的な要素を確実にカップ取れるようになった、そんな感じです。
 

勿論、毎日の繰り返しです。
 

その後はさかもとこーひーだけではなく、あちこちから送られてくるコーヒーをカッピングして、焙煎の問題や素材の問題、その店のお客さんの感じ方等々説明しながら覚えていってます。
 

さらにクオリティがきちんとしていても・・・飲むのはお客さんですから、お客さんの感じ方は様々です。
 

(美味しさ商売のツボの一つは・・・不特定多数の消費者お客さんへの美味しさなのか・・・特定少数のカスタマー顧客への美味しさなのかを自覚することでしょう。)
 

素材のカッピング、焙煎のカッピング、ブレンドのカッピングとカッピングだけで求められることが多いのですが・・・さらにお客さん、常連さんがどう感じるかを感じ取る味覚・感性も大切です。
 

自分が美味しいと思うコーヒーだけ気に入ってくれれば良いという考え方・商いの仕方もありますが・・・自家焙煎で豆を買われるお客さんは限定されるので、ある程度の幅が必要です。
 

深煎りだけとか、浅煎りだけとかのスタイルもありますが・・・どうでしょう、ビーンズショップとしてはなかなか難しいかなと思います。店主が独身ならいいですが、家族いて、子供を育てるとなると厳しいかなと思いますし・・・30年前なら競合少ないのでやりようありましたが、最近は新しい自家焙煎店どんどん増えていますからね〜。
 

(業界の若くて独立した人を見ていると、それで一生食べていけるのか心配してしまいます。料理人だと店閉めても包丁やフライパン使えれば多少条件悪くても働く場所があるでしょう。しかし、喫茶やカフェでは同業で働く場がないでしょう。なのでゆるい商売しているとほんと心配です。まぁ、他人に口出されたくないでしょうけれども。)
 

坂本自身は子供の時から不味いもの嫌いでしたが・・・一方で自分の嗅覚や味覚には自信がありませんでした。香りに敏感な女性多いので・・・そういった方の嗅覚に比べると自分の嗅覚に自信を持てませんでした。
 

そんなところから・・・美味しいもの好きでしたので、19歳で味覚の世界に入ったら・・・コーヒーは有名店を飲み歩き、紅茶は自宅で飲みまくり・・・ビール、スコッチ、バーボン、日本酒、ワイン、ジン、焼酎、お茶と液体のもので世間で一流と評価されているものを飲みまくって・・・クオリティが高いとか一流とか言われている味わいを肉体化してきました・・・そうやって今でも続けて47年経ちました。
 

液体だけでは足りないので・・・洋食和食、フレンチイタリアン、天ぷらお寿司うなぎ、蕎麦うどんラーメン、ケーキにパン、和菓子・・・ちょうどグルメ本が出てきたのであちこち食べ歩きました。
 

お客さんは、普通に色々と飲んだり食べたりしていますから・・・コーヒーだけ飲んでいてはお客さんの感覚と離れてしまいます。
 

余談ですが・・・レストランやケーキやパン等々で有名なオーナーシェフがいて、セカンドがいて、オーナーシェフが不在の時でもセカンドがきちんと切り盛りしていて・・・実質的にそのセカンドがそのお店の味を届けている・・・そのセカンドが独立します。
 

勿論、腕がいいですから美味しいと評判になって半年一年二年・・・すーっとそのセカンドのレベルに落ち着いてしまいます。これは恐ろしい。修業先のクオリティを維持できない。それはそのセカンドの味覚レベルに落ち着いてしまうことが大きな要因なんでしょう。(勿論、その地域やお客さんに合わせることも要因の一つでしょう)
 

素材を選ぶ、調理、味付け・・・その評価を修業先のシェフがしていた時と、自分でするようになった時、味覚レベルが違いを出してきます。
 

そして、たまに修業先を超える人がいます・・・そんな人はレベル高いですね〜、少ないですがいますね。
 

今回は自家焙煎で一番大切なこと「店主の味覚レベル」の話しでした。

 

ご質問はお気軽にメールで坂本までどうぞ。

takafumi@sakamotocoffee.com
 

2021年10月19日

坂本孝文
 

バックナンバーはこちらをどうぞ
 

ページトップへ