さかもとこーひーの焙煎&ブレンドメソッド35
「ブレンド5.ブレンドでフォーカスするポイント」
前回は「ブレンド4.3種類でのブレンドトレーニング2」について書きました。
さて、3種類使うブレンドになるとかなり幅が出てきます。
前回は、「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」のベーシックな豆でのブレンドでしたが
そこに「エチオピア」や「インドネシア」「ケニア」や「タンザニア」を加えると
どんどんキャラを際立たせることができます。
「エルサルバドル」「コスタリカ」も可能性を広げます。
「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」のうち1つを
「エチオピア」「インドネシア」「ケニア」「タンザニア」に替えると多様な魅力もできますが、
どうにもバランスが取れないことも出てきます。
1:1:1、2:1:1、3:1:1
このくらいのパターンでトレーニングすると理解が早いと思います。
ビーンズショップとしてはお客さんがどういった淹れ方するか分かりませんので、
実際に淹れる時はブレがあります。
ある程度ブレても安定した味わいになるようにも意識しています。
ここまでトレーニングすると、自分の好みのバランスが明確になってきます。
ブレンドによってシングルオリジンひとつひとつの特性も理解が深まってくるでしょう。
そんなこんなで・・・今回は「ブレンド5.ブレンドでフォーカスするポイント」 です。
少し専門的になってきます、かなり専門的?
スペシャルティコーヒー以前の
コモデティコーヒー、プレミアムコーヒーに比べると
スペシャルティコーヒーは際立った魅力がありますので、
ブレンド次第でグッと際立った魅力の可能性があります。
コモデティコーヒー、プレミアムコーヒーだとそれなりの個性ですから、
どうブレンドしてもあまり大きな違いにならないことがあります。
一時期、シングルオリジンだけしか扱わないお店がありましたが、
商売的に差別化したかったこともあるでしょうし、
焙煎が甘いのでブレンドしてもあまり際立たずに、
それならシングルオリジンの方がアピールしやすいのかなぁーと
意地悪な受け止め方をしました。
シングルオリジンでもブレンドでも際立った個性・魅力をお届けできるのが
スペシャルティコーヒーの素材の良さだと思っています。
そこで、では、さかもとこーひーはブレンドで何にフォーカスしているかです。
まず、大前提として、どのようなお客さんに向けてのブレンドかです。
あまり個性を出さずに、どなたにも円やかで素直に飲みやすい味わいも大切です。
酸っぱくなくて、苦くなくて、まろやかで美味しい・・・そういうお客さん多いです。
一方、モカ・イルガチェフェ(ハマ)とかエチオピア・モカナチュラル、
ケニア、グアテマラ、タンザニア等々の際立った個性を生かしたブレンドもあります。
春夏秋冬季節のお菓子や気候に合わせたブレンドもあります。
そんな多様なブレンドに共通してフォーカスしているものがあります。
それは「アシディティ、酸味」です。
スペシャルティコーヒーでは「アシディティ・酸味」の個性や質やボリュームに
フォーカスしてカッピングします。
勿論、お客様には「酸味」というフレーズは誤解されやすいので、
説明には気をつけます。
で、ブレンドする時にも、
それぞれの豆の「アシディティ・酸味」の質とボリューム、個性を把握して、
バランスや目指す味わいをイメージします。
勿論、甘さやマウスフィール、アフターテイストや香りもイメージしますが、
その辺は酸味の個性やボリュームでバランスをとると解決しやすいですね。
これは2種類、3種類でのブレンドトレーニングでかなり感覚的に掴めるようになります。
次回は「実際のブレンドを解説してみます」 について書こうと思います。
ご質問はお気軽にメールで坂本までどうぞ。
takafumi@sakamotocoffee.com
2023年09月24日
坂本孝文
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