おゆみ野店店長コラム「こーひーの丁寧なハナシ」

第143回【すっきりしていて飲みやすい】


 

こんにちは。3月も下旬に差し掛かりましたが依然冬の名残りの肌寒さを感じます。今週の定休日は息子と二人で夕方から車を走らせて、お台場にあるユニコーンガンダムの立像の夜のライトアップを観に行ってきました。昼間の演出は今まで幾度となく観たのですが、息子を夜に連れ回しても平気な年齢になったので寒空の中光と音の演出を堪能してきました。
 

お台場に行くと毎回ガンプラの専門店に寄って、自分の分と息子の分のプラモデルを買うのですが、家には前回行った時に僕用に買ったものが未開封のまま残っていたので、今回は自重して息子の分だけを買って帰りました。買った時は「すぐに作るぞ!」と意気込むのですが、時間が無いのを言い訳に中々重い腰が上がらず放置してしまう。中年あるあるです。

まだまだ知識と技術の差で僕の方が圧倒的に上手に早く組み立てられますが、もうあと数年もしたら若さと根気で追い抜かれてしまうかもしれませんね。その日が来るのが楽しみです。

 

年度末になると人の出入りやギフト需要もあるせいか、初めてお店に来るお客様が普段よりも多くなります。いつものように試飲のこーひーをお出しするのですが、その際に「すっきりしていて飲みやすい」という感想を頂く事がよくあります。
 

店側が何も考えていないと「なんの変哲もない無難な感想」に聞こえますが、実はこの感想こそがとても大切で、「すっきりしていて飲みやすい」という感想は「うちのこーひーが受け入れて貰えた」という事に繋がると考えています。
 

焦げ味や嫌な酸味のないクリーンで円やかな味わいは、当店のこーひーに共通する一番大切な基準でもあるので、そこに共感して貰えるのは大変嬉しく思います。
 

逆に「パンチが足りない」「もっとガツンときて欲しい」などと言われる事もたまにあるのですが、昔は「うちのこーひーはそういうのを目指してないから」と、心の中で思ったりもしましたが、今は「味のお好みは人それぞれだし仕方ないかな」と幾分かフラットに考えられるようになってきました。
 

また、ご常連のお客様でうちのこーひーを日常的に飲んで頂くうちに、だんだんと「すっきりしていて飲みやすい」といった感想を持たなくなっていく事も多々あります。
 

それはいつの間にか「すっきりしていて飲みやすい」のがコーヒーの当たり前の基準になっていて、よくご常連のお客様から「昔は他の店のコーヒーも普通に飲めたのに、今は嫌な味が気になって飲めなくなってしまった」「外で飲むより家で飲むこーひーが一番美味しい」「プレゼントで貰った他の店のコーヒーが余ってしまって勿体無い」といったご意見を頂く事もあります。
 

このように当店が大切にしている味作りに魅力を感じている方々にとっての良い店である為に、精進して参りたいと思います。
 

2024年3月24日

坂本壮太
 

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